2025-09-30
【症例】右耳の突発性難聴、耳鳴り、耳のつまり感
■患者
40代 男性
■来院
2020年2月
■症状
来院する前週の月曜日から右耳にムズムズとした違和感が出始める。
「そのうち治るだろう」と放置していたところ、さらに悪化。水曜日に耳鼻科を受診し突発性難聴と診断される。
薬を服用し少し回復しているような感覚はあるが、治療は早い方が良いと考え、ネットで当院を見つけ来院。
■治療内容
詳しく問診すると、特に明確な原因は思い当たらないが、仕事で騒音環境に身を置くことが多く、重労働や運転も多いとのこと。患者本人も今回の発症には驚いている様子であった。
触診では耳に関連する複数の部位に強い緊張を確認。
•首の横の緊張 → 股関節の影響が強いため、足首・膝に鍼
•重労働に伴う食いしばり → 腰のツボに鍼
•耳に関係する乳様突起部の緊張 → 手のツボに鍼
緊張を緩められたことを確認し、初回治療を終了。
後日、病院での聴力検査では大幅な回復を確認し、病院からは「完治」との説明を受ける。
当院での治療も併用し、治療2日目から症状はさらに緩和。日常生活でも支障を感じない状態に改善。
■主に使用したツボ
申脈(R)、玉竭(R)、膀胱兪(R)、後谿(R)、僕参(R)
■まとめ
今回の症例は、1回の治療で大幅に改善した稀なケース。
服薬治療も並行していたため相乗効果があったと考えられる。
ただし通常は、突発性難聴が1回の治療で大きく改善することは難しい。
今回の患者のように、発症から早期に治療を開始できたことが大きな要因といえる。
また、工事現場やコンサートなどの騒音環境は耳に強い負担をかけ、突発性難聴の発症リスクを高めるため、耳栓などの予防対策が必要である。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
⸻
■患者さんへのメッセージ
突発性難聴は「放っておけば治るだろう」と思ってしまいがちですが、時間との勝負です。
早く治療を始められるかどうかが、その後の回復に大きく影響します。
病院での治療と並行して鍼灸を行うことで、回復を後押しできる可能性があります。
もし同じような症状で不安を感じている方がいれば、ぜひ一人で抱え込まずご相談ください。
関連記事